占いが全然当たらない! 違法になる? 詐欺罪にあたるケースを紹介
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インターネット上の「占いサイト」や「占いアプリ」の利用に関するトラブルが急増しています。最初の利用は無料ですが、利用しているうちに有料サービスの利用を勧められ、気づいたときには多額の利用料を支払っていたという事例がよくあるケースでしょう。
鹿児島県のホームページでも占いサイト・アプリの利用に対する注意喚起が紹介されており、注意すべきポイントなどが掲載されています。
仕事や恋愛などに深く悩んでいると、わらにもすがる思いで「占い」に助けを求めてしまう方も多いようですが、なかにはそういった感情を逆手にとって悪質な営業を繰り返す業者も存在するので注意が必要です。
本コラムでは「占い詐欺」について、どのような行為が占い詐欺にあたるのか、占い詐欺で費やしたお金は取り戻せるのか、被害に遭ったら誰に相談できるのかなどを解説します。
1、「占い詐欺」とは? 手口の特徴や適用される犯罪
手相・星座・タロットなどを用いて運勢や未来を予想する「占い」は、わが国でも政治に大きな影響を与えていた時代があるほど歴史の古いものです。
ニュースや情報番組で「今日の運勢」のコーナーが設けられていたり、正月の初詣では神社で「おみくじ」をひいたりと、日本人の生活のなかにも深く根付いています。
「当たるも八卦、当たらぬも八卦」という言葉があるように、占いの力でこれから起きるすべてのできごとを見透かし、危険を避け、成功を手にできると信じている人は多くありません。
しかし、事業の成否、恋愛や結婚の行方、将来の健康などに不安があると、アドバイスのひとつとして占いの結果に頼ってしまうようです。
このような心理につけこむのが「占い詐欺」で、犯罪や悪質商法の一種とされています。
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(1)占い詐欺の手口と傾向
そもそも、占いとは確実性のない「予想」です。たとえ占いが的中しなかったとしても「嘘をついた」とはいえないので、まったく的外れな結果になった場合でも、原則として刑法が定める詐欺罪は成立しないと考えられます。
ただし、犯罪が成立しない状況でも、詐欺的な要素があれば「適法」とは認められません。たとえば、実際にはそういった効果を実証する術もないのに「身に着けると恋愛がかならず成就する」などとうたってアクセサリーを販売するといった行為があると、詐欺罪が成立する可能性があります。
また、一度の占いやメッセージの送受信ごとに利用料が発生する占いサイト・アプリでは、初回無料や完全無料をうたいながら有料サービスへと誘導し、何度もやり取りを続けさせて利用料がかさむように仕向ける手口も目立ちます。
利用をやめようとすると「続けないと運気が下がる」と不安にさせたり、「特別に高名な霊媒師の祈祷を受けられる」などとうたって特別料金の支払いを求めたりするケースもあるようです。 -
(2)占い詐欺に適用される犯罪
占い詐欺に適用される可能性があるのは、刑法第246条の「詐欺罪」です。詐欺罪は、嘘をつき相手に信じ込ませてお金などの財物をみずから交付させることで成立します。
占いが的中するかどうかは「嘘」の評価にならないので、占い詐欺の場合は「占いをしているかどうか」が問題になるでしょう。
たとえば「個別で占います」とうたいながら実際にはテンプレートのメッセージを送信するだけで占いをしていないといったケースでは、たとえメッセージの内容が占いとして的中していても法的には詐欺です。
もっとも、占いをしているかどうかの事実を確認するのは難しいので「占い詐欺」と呼ばれていても、実際に詐欺罪を適用するのは困難だといえます。
2、「絶対に当たる」などの表現は違法!
占いが詐欺的なものかどうかを判別するのは困難です。口コミで「よく当たる」と評判でも、実際に何らかの占いをしているのかはわかりません。
もちろん、的中しないからといって詐欺的だともいえないので、占い詐欺の被害を防ぐ確実な方法は存在しないというのが現実です。
ただし、占いがサービスの一種である以上は法律による規制を受けるので、法令を順守しているかどうかに注目することで、詐欺的な悪質商法を回避できる可能性が高まります。
そこで気を付けたいのが「絶対に当たる」「的中率100%」といった広告表示です。
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(1)景品表示法の「不当表示」にあたる
確実に的中する占いが存在するなら、誰もが自分の将来・未来を調べることができて、成功を得たり、危険を回避できたりするでしょう。
そういった優良なサービスであるという勘違いをまねく表現を用いた広告は「不当景品類及び不当表示防止法」、いわゆる「景品表示法」第5条に規定されている不当表示にあたります。
不当表示は、著しく優良な商品やサービスであると誤認させることで、消費者の自主的かつ合理的な選択を阻害してしまうので禁止されています。 -
(2)命令に従わない場合は罰を受ける
景品表示法の不当表示があると認められた場合は、内閣総理大臣の名において、その行為の差し止めや防止などに関する命令が下されます。
この命令に反して違反行為を繰り返すと、同法第36条の規定に従って2年以下の懲役または300万円以下の罰金が科せられ、悪質なケースでは懲役・罰金の両方が科せられます。
3、「運気が上がる」といわれて高額商品を買わされた! 返品・返金できる?
悪質な占い詐欺のケースでは「運気が上がる」「このままではよくないことが起きる」などといわれて高額商品の購入を強いられる、いわゆる「霊感商法」と呼ばれる手口の被害も起きています。断り切れず高額商品を購入してしまった場合、返品・返金は可能なのでしょうか?
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(1)訪問販売・電話勧誘販売ならクーリングオフは可能
悪質商法から消費者を守る制度として「クーリングオフ」という制度があります。訪問販売や電話勧誘販売のように不意打ち性が高く、冷静に判断する余裕もないまま契約しがちな取引では、一定期間に限り、消費者側からの一方的な契約解除が可能です。
自宅を訪ねてきて「占いによると運気の流れが悪いので、このブレスレットを購入したほうがいい」「姓名判断によるとよくないことが起きる、運気がよくなる姓の印鑑を作ったほうがいい」などといわれ、契約してしまったケースでは、契約から8日以内なら消費者側から契約を解除できます。
クーリングオフの対象になる形態の契約なら、業者側が「クーリングオフはできない」というルールを提示していても無効です。
また、契約の際に契約書面を交付していないなどの違反があるときは、期間が過ぎたあとでもクーリングオフできます。
また、クーリングオフの適用を受けられるのに契約から8日間を経過してしまった場合でも、事業者が「クーリングオフはできない」と嘘をついていたなどの状況があればクーリングオフが可能です。 -
(2)クーリングオフ適用外でも詐欺なら返品・返金は可能
たとえば『占いサイト』や『アプリ』の利用料は、クーリングオフの適用外です。クーリングオフの適用を受けられない内容であっても、占いサイト・アプリの運営において、消費者が利用する・利用しないの判断を決める重要な部分に嘘があれば、詐欺による取引になるため返品・返金は可能です。
4、占い詐欺の被害にあったときに相談できる窓口
占い詐欺の被害に遭ってしまったときは、できるだけ早く適切な窓口に相談してアドバイスを受けましょう。
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(1)消費生活センター
占いサイト・アプリの利用料金トラブルや高額商品の購入を勧める霊感商法のトラブルは、すべて消費者トラブルに分類されます。消費者トラブルは、全国に設置されている消費生活センターで相談可能です。
全国の事例に照らして有効な解決策や今後の被害防止などに有効なアドバイスが得られます。 -
(2)管轄の警察
占いを装って金銭をだまし取られた場合は、刑法の詐欺罪が適用される可能性があります。犯罪の捜査や犯人の検挙・摘発は警察の責務なので、住居地を管轄する警察に相談しましょう。
ただし、詐欺事件の成否は詳しく捜査を進めないと判断できない面があるので、相談してただちに被害届や刑事告訴の受理されるわけではありません。
また、警察では契約の解除や返品・返金といった手続きのサポートはできないので、どのような面で協力が必要なのかをしっかりと線引きしておく必要があります。 -
(3)自治体や弁護士会の無料相談会
自治体や弁護士会では、無料の法律相談会を実施しています。
たとえば鹿児島県弁護士会では、不定期で「消費者被害110番」などの相談イベントを開催しているので、法律家によるアドバイスやサポートが必要だと感じたら気軽に利用してみるとよいでしょう。 -
(4)弁護士
占い詐欺の被害に遭い、サイト・アプリの利用料金を取り戻したい、だまされて高額商品を購入させられたので契約を解除して返金を求めたいなど、法的措置による解決を望むなら弁護士への相談をおすすめします。
弁護士に相談して詳しい状況を伝えれば、弁護士が代理人として交渉にあたる、業者側の不法行為をピックアップして裁判を起こすといった対応で、返金を実現できる可能性があります。
消費者個人による対応では、業者側の違法を指摘しても相手にしてもらえないケースが多いので、弁護士に対応をまかせたほうが安心です。
5、まとめ
悪質な占い詐欺の被害に遭うと、サイト・アプリの利用料がかさむ、高額商品を購入させられるなどの損害が生じることになります。
しかし、占いはあくまでも不確実なものなので、単に「当たらない」というだけでは責任を追及するのは困難です。占い詐欺のトラブルを解決するには、業者側の不法行為を明らかにして法的措置を取る必要があります。
消費者個人での対応で解決するのは難しいので、弁護士に相談してアドバイスとサポートを求めましょう。占い詐欺の被害でお困りなら、ベリーベスト法律事務所 鹿児島オフィスにご相談ください。消費者トラブルの解決実績を豊富にもつ弁護士が、円満解決に向けて全力でサポートします。
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